CASE & ACTIVITY
インフォテックの取り組み
  • 事例紹介

保険業務の知見を活かしたオープン化プロジェクトの推進

事例概要

損害保険会社様のシステムをメインフレームからオープン化に刷新する大規模プロジェクトの中で、
当社を含む複数の協力会社様と協力し、業務要件を集約することでプロジェクトの円滑な推進を実現しました。

 

プロジェクトの背景と課題

損害保険システムにおけるオープン化の要件定義は業務知見を持つメンバーによる実施が必要不可欠です。
しかしながら業務要件を担当しているメンバーは業務知見が少なかったため、プロジェクトが遅延する状況が続きました。
そこで広い保険業務の知見を持つインフォテックが各社の間に立ち、知見を集約してプロジェクトを推進することとなりました。

 

対策ポイントと効果

ポイント① <協業体制のもと要件を再集約>

業務要件の集約には各協力会社との協業体制が必要です。
そのためにまずは有識者としてお客様部署間の打ち合わせに参加してお客様や各協力会社様との接点を確保し、協業体制にいち早く参画しました。
この協業体制のもとにお客様や各協力会社様のステークホルダーの方と要件調整を行った結果、1年かけても終わらなかった要件定義を約半年でクローズすることに成功しました。

要件集約で行った工夫

  • 事前にたてた仮説をもとに説明資料を作成して要件を確認
     ⇒ お客様との認識齟齬がなくなり決定に係るスピードが向上
  • クリティカルパスを明確にし優先的に解決
     ⇒ 「これを決めないと先に進めない・・」となりそうな要件をいち早く見つけて整理することで作業時間の無駄を排除
  • お客様指定ツールだけでなく社内チャットを活用し、Web会議の追加調整を行うなどして積極的にコミュニケーションを図ることでお客様との距離を近くする
     ⇒ 疑問解消のスピードが大幅に向上

 

ポイント② <お客様課題の明確化と解決策の検討>

業務プロセスの整理では、当社が長年にわたりご支援させていただいた保守作業で蓄積してきた業務知見や既存システムの造詣を活かし、お客様がまだ気づくことのできていない課題の明確化を実施しました。
課題の中には保険の約款を見直した方がいい業務課題や、ユーザビリティを考慮すべき入力チェック等のシステム課題など、お客様業務に係わる様々な課題がございました。
これら課題解決に向けて、各協力会社様に課題内容を共有し現行調査を実施しました。
その結果、課題解決策をお客様に提示し、各協力会社様の協業体制のもと対策を講じることができました。

課題解決に向けた工夫

  • 課題の共有や注意喚起は当社内だけにとどめず各協力会社にも共有。また、必要に応じて説明会も実施し協力会社が一体となって解決できる体制を構築
  • 既存仕様に眠っている課題についてもお客様の情報からさらに深掘りして調査することで根本原因からの解決を目指す

 

 

ポイント③ <大規模プロジェクト開発での知識レベル共通化>

本プロジェクトは開発規模が大きいため各協力会社の開発範囲をフロントエンド、バックエンド、バッチ、APIに分割していました。
しかしながら開発範囲を分割することで各協力会社間で意思疎通が取れないことが懸念されました。

そのため当社では開発単位にチーム分けを実施し、各チームにハブとなる責任者を設けました。
責任者は当社内チームはもちろん、各協力会社間の情報を持ち帰ってチームに共有することでプロジェクト全体の知識レベルを保ちました。
また他チームからの質問に対してはWeb会議にて回答の時間を定例的に設けるようにすることで、疑問点にかかる時間のロスを極力なくすよう工夫しました。
結果としてプロジェクトメンバの距離感が近くなりスピーディな開発が実現しました。

 

ポイント④ <新規参画メンバーの育成フォロー>

新たにプロジェクトに参画するお客様や不慣れな新規参画メンバーに対しては、
自社他社関係なくプロジェクトの進め方から検証方法などをフォローする体制を当社が構築しました。
フォロー体制を構築した結果、新規参画会社では数か月育成期間等を要する作業を求められる短納期(1~2日)に対応するなど、作業時間の大幅なロス削減に成功しました。

育成フォローで行った工夫

  • プロジェクトの経緯やまとめ資料を用意し参画時の説明を定型化
  • 開発手順書や開発に向けた説明資料をもとに、Web会議で説明会を頻繁に実施することで技術力を標準化

 

当社の強み

長年にわたり損害保険システムに携わったことで当社には保険業務の知見が広くございます。
そのため損害保険を扱う複雑なシステムに対しても、背景を類推した必要機能の洗い出しや、事前課題への対策を講じることができます。
また複数の協力会社が存在する大規模プロジェクトにおいても、当社はそれぞれの立場や業務を考慮してリードするため実効性の高いプロジェクト推進が可能となります。

複雑な損害保険システム構築に対するプロジェクト推進でお困りの場合や、複数の協力会社が関係する保守体制にお悩みの際はぜひお気軽にお問い合わせください。