- すべて
- 業務システムソリューション
- 事例紹介
ユーザー部門を支える当社チームの取り組みと効果(明治安田生命保険相互会社様)
事例概要
明治安田生命保険相互会社様において、当社はこれまでシステム部門への支援を通じて、さまざまな業務のシステム開発に携わってきました。
その中で、支払業務に関する大規模なシステム開発案件が立ち上がるにあたり、ユーザー部門側での検討・対応体制の確保が課題となり、職員不足への対応として、ユーザー部門への社員代替支援についてご相談をいただきました。
本事例では、ユーザー部門の一員として参画し、これまで培ってきた業務理解とシステム開発の知見を活かして業務とシステムの橋渡し役を担うことで、ユーザー部門とシステム部門の両輪から業務を支援した取り組みを紹介します。
ユーザー部門の課題
ユーザー部門はシステム開発を行う上で、以下の課題を抱えていました。
①ユーザー部門とシステム部門の間に生じる認識ギャップユーザー部門とシステム部門では、それぞれの立場や専門領域の違いから、要件の背景や意図が十分に共有されないことがありました。 ユーザー部門が業務上大切にしている観点がシステム側に十分伝わらない一方で、システムがその仕様となっている理由や考え方がユーザー部門に理解されにくい場面も見られました。 |
②要件定義に関わる体制面での制約ユーザー部門では、通常業務と並行して、システム化に伴う要件定義(要件検討)への対応が求められていました。 一方で、要件定義に対応するための体制を十分に確保することが難しく、要件定義に関わる対応負荷が高まる状況となっていました。 |
③設計以降の確認・ユーザーテストにおける体制面の課題ユーザー部門では、基本計画や要件定義を含む設計内容の確認範囲が広く、業務影響を踏まえた確認や調整を行うための体制を十分に確保することが難しい状況でした。そのため、設計工程以降の確認作業に負荷がかかっていました。 また、ユーザーテストにおいては、システム仕様を前提としたテストケースの作成や、テストを計画的に進めるための調整・推進に負荷がかかり、テストが円滑に進みにくい場面がありました。 |
④ユーザー部門におけるデータ取得・活用体制の制約業務に必要なデータはシステム部門に依頼して取得する必要があり、ユーザー部門が必要なタイミングでデータを確認・分析することが難しい状況でした。 そのため、十分なデータを確認できないまま感覚ベースで話す場面も多く、業務改善や意思決定に時間を要していました。 |
当社の取り組み
ユーザー部門の課題を解決するために、当社メンバーがユーザー部門の一員として参画し、業務とシステムの両面から支援を行いました。
①要件定義に向けた認識整理と調整
・要件定義の初期段階から打ち合わせに参加し、ユーザー部門が業務上重視しているポイントや背景を整理
・整理した内容がシステム部門に正しく伝わるよう支援
・システム部門の考え方や前提条件についても、ユーザー部門に分かりやすく説明し、要件の意図や背景が関係者間で共有されるよう調整
②要件検討・判断を支えるための支援
・システムの観点から、約款上の論点や注意点を整理
・支払業務の実績データを集計・整理し、要件検討時の判断材料として提示
・要件定義に関わるユーザー部門の検討・判断負荷を軽減
③設計工程以降の確認およびユーザーテスト支援
・設計工程以降において、ユーザー部門が業務観点から設計内容を確認できるよう支援
・ユーザー視点で、開発工程ごとに必要な確認観点を整理した工程概要書を作成
・ユーザーテストに向けて、テストケースの整理やテスト工程の進行を支援
・テスト工程が円滑に進むよう、必要な調整を実施
④データ取得・活用を通じた業務支援
・システム部門に依頼していたデータ取得を、ユーザー部門が自ら行えるよう、各種データの収集・整形・抽出を支援
・入力されたデータが、可視化や分析に適した形式・内容となっているかの確認・管理を支援
・分析に必要なデータを整備し、BIツールの導入を支援
・対象業務のダッシュボード作成を通じて、データを活用した業務改善や判断を支援
取り組みによる効果
当社の取り組みにより、ユーザー部門の業務推進やシステム開発の進め方において、さまざまな効果が得られました。
あわせて、当社にとっても、今後の取り組みに活かせる成果が得られています。
<ユーザー部門の効果>
①要件検討・認識共有に関する効果
・要件確定の段階で、ユーザー部門の考えや意図をシステム部門が正確に理解・把握できるようになり、要件理解のギャップが解消されました。
・その結果、設計・開発工程における認識ズレや手戻りが抑制され、開発の進め方が安定しました。
・約款の不整合についても初期段階で確認できるようになり、関連部署での迅速な修正対応が可能となりました。
・実績データを基に要件を検討できるようになったことで、機能の優先順位が明確になり、無駄な開発工数の削減につながりました。
②設計確認・ユーザーテストに関する効果
・ユーザー部門・システム部門の双方に当社メンバーが参画していることで、設計内容に対する疑問点や認識のずれを早い段階で確認・解消できるようになりました。
・工程概要書の活用により、設計内容やテスト時の認識共有が円滑になりました。
・設計確認やユーザーテストが計画的に進み、テスト品質の向上や進捗遅延の防止につながりました。
③データ活用に関する効果
・業務データのやり取りや仕様確認が効率化され、システム部門との連携がスムーズになりました。
・データの可視化・分析が進み、次のアクションに向けた意思決定や予測を迅速に行えるようになりました。
・ユーザー部門が自らデータを取得・分析できるようになり、データ活用のスピードが大きく向上しました。
<当社にとっての成果>
ユーザー部門の実務に即した支援を行うことで、業務内容や業務判断の背景を踏まえて考えられる人材の育成につながりました。
現場で得た知見やスキルが後輩指導に活かされ、経験が次世代へと継承される育成の仕組みが形成されています。
こうした知見を社内で共有することで、要件定義から運用まで各工程の品質向上につながりました。
今後への抱負
支払業務からスタートしたユーザー部門への業務支援は、その取り組みが評価され、現在では「契約保全」「保険申込」へと支援範囲が広がっています。
当社は「契約保全」「支払」「保険申込」といった生命保険の業務を、ビジネスとITの両面から支える組織として、これからもお客様に寄り添いながら価値を生み出していきたいと考えています。
メンバー一人ひとりが、業務知識とデータ分析のスキルをバランスよく身につけることで、お客様により良いサービスをお届けできるよう、日々取り組んでいます。
また、業務とシステムの双方を理解している当社の強みを活かし、業務の効率化に向けた提案や、データを活かした意思決定の支援など、さまざまな形でお客さまのお役に立てるよう努めてまいります。
そして中長期的には、お客さまと一緒に「これからの業務のあるべき姿」を描き、その実現に向けて寄り添いながら並走できるパートナーを目指して、挑戦を続けていきます。


